生命の起源は偶然か必然か

間をはじめ、細菌を含む全ての生物はよく観察してみると非常に複雑な精巧な構造をしています。
現在の科学技術をもっても、細胞一つとってみてもまだまだ未解明な部分が多く、単細胞生物すら人工的に作れる可能性は皆無なようです。
それだけに、生物自体は非常に神秘的な存在であり、生命の起源は現在では自然発生説、タンパク質やDNAの生成においては化学進化説が主流となっていますが、実際には仮説の域を出ずに、根本的に謎のままになっているようです。
そして、最近の研究ではある一つの生命がゼロから誕生するのに、一見すると確率的に非常に低くて非常に奇跡的であることがわかってきているようです。
生命起源の現在主流である自然発生説を前提にすると、一説には、10の4万乗分の1という天文学的に小さい確率になり、これは完全に分解された時計の各部品をプールに入れるとひとりでにその各部品から元の状態の時計に戻る確率より小さいという、ほぼあり得ないと言うべきほどのレベルです。
ここまでくると、本当に地球の生物の祖先は偶然に自然にできたのかと疑うのも無理はないものとなります。
では、生命起源が偶然でなく、必然的に何らかの原因で起こったのだとすれば、それは一体何なのかという話になります。
この考えで一番思いつくのは、何かの意思を持った存在、つまり神や超次元意識のような超越的存在が生命を作ったのだというものです。
このような説の一つとして、インテリジェントデザインID論などがあります。
他には、この宇宙世界は実は汎心論のようなもので、原始地球でできたアミノ酸から生命に必要なたんぱく質やDNAに生成した過程で、化学進化説の代わりに汎心論的存在の作用によって誘導的に合成できたという仮説が考えられます。
ここで、超越的な未知の存在を持ち出すとすぐにオカルトとか宗教とか疑似科学とかでうるさく言う人も多いですが、こういう形で説明するのは何も自分はオカルトなどを支持しているからとかではなく、純粋に合理的な仮説を求めるための一つの形而上学的な回答にすぎないということです。
もしこういう超越的存在の仮説を認めないとすれば、たんぱく質やDNAが偶然にできた自然発生説を採用するのが自然になります。
これは一見常識的に見えますが、先ほども説明したように、自然発生説では生命の誕生確率が限りなく0に近く、それでも純粋にこれほどの偶然に生命が誕生したと主張することになり、それは他の何か未知のメカニズムが発見されない限り明らかに不合理的だと言わざるを得ないでしょう。
これら以外の仮説には、生命の元が宇宙から降ってきた説とかオカルト的な説ではこの宇宙自体が巨大なシミュレーターであるというものまであります。
このように、地球の生命起源というものが大きな謎に包まれていて、それだけ生命は神秘的であり、まだまだ未知なところが多いものです。