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科学のあり方と相対主義と実在論(2)

早くも大晦日を迎えましたが、前回記事の続きです。

 

前回では科学は真実の唯一性を前提にしつつ、人間の主観性や相対性の要素も認めるのが望ましいという一つの結論がでました。ここから発展して重要な事の一つとして、主観性と客観性の重要性について、自然科学とそれ以外の人文系などの学問とで分けて考察すべきだということです。

人文系学問では、主観的な人間の心を主体的に扱うので、当然主観性を基本とした体系や内容になります。それに対して自然科学は人間の心に対しての自然や世界の本質・法則性などを中心に扱うので、客観性を最重要視せざるを得ないということです。また、数学においても、厳密な論理性が必須である点で、客観性が重視されます。

一方で、社会系科学では、人間の主観性が重要とされがちですが、自然や数理的論理の要素も積極的に取り入れる点で客観性も重視され、科学と人文学の中間にあたると考えられます。

さらに、自然科学や人文学などの比較考察においては、主観・客観の軸とは別に普遍・個別の軸で考察することもよくあります。一般的な傾向として、科学は普遍性を重視し、人文学は個別性を重視するところがあり、社会系では主観客観性と同様に両者の中間にあたると見られています。

以上述べたことから、科学や数学などで真実性とか客主観観性とかについて議論するには、学問全体から見て科学はどの位置に有り、他の学問と比べて何を重視すべきかを考える必要があるということです。

ただ、このままの状態が続けば、科学と人文学が互いに対立的に分断されたままになってしまうので、最近では社会学やその他学際系学問などを媒介して両者の結びつきを強めていこうとする動きも活発的になっています。このことは、科学も人文学も互いに主観性や客観性の要素をそれなりに認めようということです。

このように、両者とも主観客観のどちらか一方を重視しつつ、他方も認めてお互いに相補的な結び付きを持つことで、学問全体のさらなる発展がより期待されるだろうと個人的に考えています。

ということで科学哲学の話はここで一旦締めておきます。